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「ガンズ・ハート」   電撃文庫


1巻   硝煙の誇り    ☆×3

簡単に言うと、悪ガキが頭の固い大人や社会を変えていくという話。
脇役たちが、過度に下げて描かれているため、主人公達はとても魅力的なキャラになっています。
なので、主人公が登場しているシーンは文章の読みやすさもあって非常にのめりこめます。
しかしそれ以外のシーンは正直退屈させられてしまいました。
1巻ということもあって、世界観、地理などの説明が多くなっているので、全体部の序章といった感じ。
2巻からに期待。というよりは1巻でこれだけ準備を整えたのだから、2巻からは魅せてくれないと作家としてどうかと。
いちおう戦記もの。




2巻   硝煙の女神、3巻   硝煙の栄光    ☆×8

魅力的、というか人を惹きつける主人公達が出ずっぱりなので、非常に楽しめます。
文章が比較的読みやすいので、この2冊はライトノベルとしても秀作です。
しかし、この作者は説明文がつまらなく、単調になりがちなので、相変わらず退屈する場面もあります。
戦争の内容はけっこうありきたりで、戦略などに目新しいものがあるわけではありません。
そろそろ完結するようです。





4巻   硝煙の彼方    ☆×7

1巻以上に説明文が多かったかもしれない。
今度は戦争相手の国の説明をしていたので、最終巻となる5巻への期待が高まります。
後半部分の、戦争の初めの部分は巧く見せられていて、面白いです。
前半部分はだれがちで、だらだらとしている印象。
戦争と文明という現代社会を皮肉ったようなテーマが、なかなかに活かされてきています。
5巻はいままででも特に良作となる予感。


5巻  硝煙の鎮魂歌   ☆×8

 面白かった。稚拙で安っぽい擬音が多く、登場人物も分かりやすい人物しかいない。 それが全体的にレベルを下げているのが残念ですが、とにかくキャラが活き活きしている。 実際にいるはずもないのだけれど、何処かにいるような気がしてしまう、そんな現実感。
 多くの引き立て役達がいて、主人公達が成り立っている、ということを念頭におきたい。
 何をしでかすか分からない、さらに悪ガキであるというのは予想以上に面白かったです。
 
 素直で馬鹿、真っ直ぐな人物たちが格好いい。

 ラスト、教会の結末には心残りですが一応あれもありかな、と。もう少し教会について続きを書いてほしい けれど、あれがあの作品の一番の終わり方だったのかもしれない。
 とにかく、面白かった。文章鍛えて描写がリアルになったこの作者の物語が読みたいです。次回作 大期待。



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