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「ひかりのまち  nerimu's note」   ☆×4   電撃文庫


 
 第11回電撃小説大賞『金賞』受賞作。
 
 山々に囲まれた、閉塞的な都市パラクタに、日黒期が訪れた。それは、およそ100年に一度おきる 日光が全く降り注がなくなる現象である。しかし高等部に通うネリムは、そんな不可思議な現象に 疑問を抱く……。
 それを追ううちに、ネリムは自分の家族に起こった過去の悲劇「あの事件」との関連性を知っていく。
 ――そして、ネリムは追い求めた過去の真実を知る――

 そんなお話。
 

 まあ前半はいたって普通のレベルだなと思って読み進めていたのですが、後半に入って散りばめられたと言うより 放り出されていた伏線が次々と顔を出すのはなかなか。読ませる意図もあったのかもしれませんが、 伏線が見え見えなのはいただけないと思います。
 おそらく僕の好みの問題なのでしょうが、全く物語に入っていけませんでした。普通は、感情移入から始まって 主人公と感動、悲しみ、喜びを共にすることによって物語に入り込んでいく。その際臨場感を高めたりキャラに入り込める度合いを強めたり するのが文章だと思うのです。が、この作品ではどうも外からテレビの画面を見てる感じ、臨場感とか緊張感とかが伝わってこなかったのです。 どうも他人事を醒めた目線からみるような印象しか受けませんでした。
 キャラにも、物語にも入っていけない。そんな状況でしたので、正直僕としては評価を低くせざるをえません。
 展開にも無理を感じました。どれも中途半端に試した感じというか、あちこちに試してみたような展開を使ってはいるものの、 どれもあまり特筆するには至らないという印象。

 僕個人としては、こちらより断然大賞受賞作『ルカ』をおすすめしておきます。
 イラストが好みだったのにちょっと残念です。
 








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