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岩井 恭平の作品



「ムシウタ」   角川スニーカー文庫



01   夢見る蛍    ☆×7

    かなり面白い。
主人公について、ある仕掛けがあるんですが、それもまたいいです。
設定が面白い。複線もしっかり使ってるし普通に面白いです。
でも、最終的には物語は最悪の結末にしかたどり着けないんじゃないかと思う。
それにしても、「夢」なんて、素敵な題材使ってます。




02   夢叫ぶ火蛾    ☆×7

文章に多少の癖があるので、僕には少し読みにくいのですが、一般的には受けが良いみたいです、この文章。 これは、繊細なタッチのイラストの効果もあって、心理描写が綺麗です。 本編の方も、想い、そしてそれぞれの『夢』が絡み合い、物語が形成されていきます。 誰かが夢をかなえるために、誰かの夢が消えていく……。 ただ、居場所を求めているだけなのだとしても…………。



03   夢はばたく翼    ☆×8

そろそろ、新キャラの持つ 『夢』に無理が出始めた感がある3巻目。
ただ、虫の能力戦闘は非常に面白いので、1・2巻以上に楽しめました。
でっかい甲虫とかでてくるんで、そういうの駄目な人にはきついかもしれません。
それはともかく、今回は物語の主軸である、『虫』というものについてかなり触れられています。
虫という存在の意味は…?そこには誰かの意思が見え隠れしています。
物語を通しての大きな謎に迫っています。




04   夢燃える楽園    ☆×8

表があれば裏がある
光があれば闇がある
華やかで、ご都合主義に守られた主人公とは違い、脇役として、輝けなかった人物にスポットライトが当てられます。
このシリーズには必ず、2,3のドラマがあって、それが上手く交錯するんですが、今回はいつにもましてそれが見事でした。
さらに、前半のある箇所で、作者のある試みがあるのですが、僕は上手く騙されてしまいました。
戦闘も相変わらず面白く、さらに今回はラストで衝撃の事実が明かされています。
それがこれからの物語にどう絡んでくるのか、ますます面白くなってきました。
表舞台に立てなった者は、這い上がるために全てを犠牲にして立ち上がる……。
守れなかった物は、その意思を継ごうと歩みだす……。
最後に笑うのは、…いや、最後に夢見るのは……




05   夢さまよう蛹   ☆×8
 また引き伸ばしにされた……ラストはまだか。
 だけど、多くのことが明らかにされた巻でもあった。無理やり伸ばした冗長さは無いし、いい感じで展開が進んでくれて良い。
 かっこうと他の虫憑きとの確執。それが読者には歯がゆいのですがそれは作者の狙い通りなのでしょう。それを踏まえて最終巻へと挑みたい。
 ただ結局、千晴の夢が身勝手すぎる気もします。これでいいのか、何か説明はあるのか。細かいこと気にしすぎなのか




06   夢導く旅人   ☆×8
 安定して楽しめるのは一読者として凄いと思います。
 ただ一つ不満なのは、展開がなかなか進まないことです。また長引きそうな設定が出てきたので気長に待つしかなさそうですね。





ムシウタ  bug   角川スニーカー文庫


1st   夢回す銀槍    ☆×6

「ムシウタ」の短編。
主人公が中学生の時、長編にも絡んでくる過去の出来事を短編集で送ります。
人の心の動きがよくえがかれています。
本編とはノリが違って、どちらかというと軽いノリですが、楽しめます。





2nd   夢囚われる戦姫    ☆×6

「ムシウタ」の短編。
 これはいかにも連載用といった感じで、あまりまとまりが無いです。
 ある程度はしょうがないのですが、短編一つ一つの面白さがあまり無いので、繋がりに期待するしかないという状態。
 本編との絡みが唯一の救いですね。あとはかっこう(主人公)の出番が多いこと。
 正直言って書き下ろしだけの為に買ったようなものでした。それだけです。




「消閑の挑戦者」   角川スニーカー文庫



1巻    ☆×7

ムシウタよりも読みやすく、簡単に読める。
内容が薄い気がしたが、勢いがあってよかった。
読み易さならこっち。もちろん内容も面白いですが。
どちらかというと勢いと台詞回し重視なので、ストーリーにはやや細かさが欠ける。
最後の騙しもある程度考えればけっこう分かるらしいです。
僕はわかりませんでしたが。



2巻    ☆×7
 結局さちが何をしたいのかいまいち。主人公もはっきりしないし、面白いことには面白いんだけれど、何か最終目標的なものを掲げてくれると分かりやすくてのめりこみやすいと思う。




3巻   ☆×8
 面白かった。もともと僕は成長が描かれるのにのめりこみやすい性質なので、主人公の精神的な成長には思わず期待して読み進めました。
 後味というか、締まりもよく、いい感じに纏まっていると思う。
 なにやらまだ続きそうなので、早く次が読みたい感じ。





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