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浅井 ラボの作品
「されど罪人は竜と踊る」 角川スニーカー文庫
1巻 されど罪人は竜と踊る ☆×8
重い。話が非常に暗い。
がんばってがんばってどこまでも自分を犠牲にして、そこで自分の汚さに気づいてしまう。
しかも、報われず、全ては悪い方向へと進む。
僕がこんな境遇だったら生きてけません。
戦闘シーンはかっこいいんだけど、難しい。科学の事なんてまったくわからん。
扱うテーマも、酷く難しいので万人向けとはいかないようです。
悪口合戦が良いです。暗い本編に散りばめられた貶しあい。
もう知人に使わなくては気がすまなくなるようなすばらしい貶し言葉です(ぉぃ
とにかく、言葉巧みな会話シーンだけでも十分に楽しめるのですが、ストーリーの構成には目を見張るものがあります。
人が生きる意味など、普段考えないようなことを考えさせられてしまう作品です。
ただ、文章が多少回りくどかったり、大げさだったりで、読みにくいという意見もあります。
たしかに1冊読むのにかかる時間が同じくらいのページ数の他作品とは比べ物になりませんが、それだけの密度があります。
2巻 灰よ、竜に告げよ ☆×7
この小説に詰まってるのは鬱がほとんどのようです。
所々に笑えるシーンなどもありますが、はっきり言って読むと鬱になります。
絶望とまではいかないまでも、かなりのショックがあります。
非常に暗い話なので、そういうものが苦手な方にはお勧めできません。
流し読みするなら別ですが。
3巻 災厄の1日 ☆×6
短編集。
かなり明るく、笑える話もあれば、暗い話もあります。
1,2巻で登場したキャラたちの、特に脇役や敵に重点が置かれています。
かなり皮肉が含まれた文章で、人間の本質とも言える暗い部分に焦点が当てられ、酷く悲しい話です。
人によってそれぞれの話の受け取り方が変わると思います。
笑える話も、脆く崩れ去る前の危うい均衡のような、危なさを感じさせます(気のせいかもしれませんが)
全体的にはいつもより明るめですが、やはり鬱になるのは避けられないでしょう。
4巻 くちづけでは長く、愛には短すぎて ☆×7
2冊構成の長編の1冊目。
まだ、物語の最初であって、全体像がなんとなしに見えるだけ。
とりあえず分かるのは今回も暗い話であり、そのテーマは複数ということ。
さまざまな人間関係、想いが交錯し、そして破綻する。
どこまで突き詰めても結局は終わりが来てしまう。
かなりいろいろと考えさせられます。
5巻では本当に鬱になる予定。
5巻 そして楽園はあまりにも永く ☆×9
来ました。本当に暗い。鬱になります。
さまざまな事に終止符がうたれました。
ご都合主義なんかではなく、何かしらと悪い方へと話は進む。
主人公達は、幾度となく裏切られるし、それでも信じようとする。
でもそこには一片の希望も無く、ただあるのは辛い現実と絶望のみ。
目を逸らしても、迫り来る現実。
様々な思いが入り組んで、そして最後には実らない。
どこまでも現実的であり、怖い小説です。
5巻はオチがある意味素晴らしい。
6巻 追憶の欠片 ☆×7
そろそろこの鬱展開にも慣れてきました。
ただ、台詞の言い回しやギャグのセンスは凄いです。
今回は哲学的な内容が多かったので、所々休憩を挟みました。
短編なので鬱もそこそこ、笑いもそこそこで上手くまとまっています。
オチはかなりいいので、強くお勧めします。
7巻 まどろむように君と ☆×7
なんだかなぁ。もう慣れてくると短編集じゃ物足りない。そんなこといってもしょうがないんだけど。
とにかく、短編一つ一つの完成度はいつもの如く高いので楽しめる。
本編早く出してくれないかな。
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