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西尾 維新の作品



戯言シリーズ   講談社ノベルズ



「クビキリサイクル」  青色サヴァンと戯言遣い    ☆×8

はまると抜け出せない。底なし沼のような魅力を備えている(もちろん褒めている)
考えながら、読み解くのにはかなりの面白味があります。
狂った哲学論も面白いんだけど、キャラが巧い。
ミステリとしてはずさんだけど、、楽しめるって点ではかなりおすすめです。
好みは別れること確実です。





「クビシメロマンチスト」  人間失格・零崎人識    ☆×9

ミステリとしてはこの巻が1番良かった。
ネタバレはしません。
平和な日常に生きていて、それでも生きてはいなくて…。
平和的な内容かと思いきや、当然の如くそんなことは無く、事件です。
やはり事件、そして解決は物語の面白味に加えるスパイスのような物です。
それが上手く効いていて、かなりレベルの高い作品となっています。





「クビツリハイスクール」  戯言遣いの弟子    ☆×8

なんとなしに見えてきたいーちゃんの過去。
いつも通りキャラ達が暴れまくっています。
特徴、個性溢れるキャラ達を楽しむことができました。
比較的薄いので、他巻のような濃さは期待しないほうがいいです。





「サイコロジカル」 上(<兎吊木垓輔の戯言殺し>)下(<曳かれ者の小唄>)    ☆×8

相変わらずの個性豊かなキャラ達。
今回もミステリとしてはずさんなので、あまり期待はしない方が良いです。
いーちゃんこと主人公の過去が少しだけ明かされます。
独特の読後感と、文章の巧さはレヴェルが高いです。




「ヒトクイマジカル」  殺戮奇術の匂宮兄弟    ☆×8

 いの字こと戯言遣いの本質に迫ります。
 結局結局戯言遣いなんて、みいこに殴られようと人類最強に怒鳴られようと、死線の蒼に誘われようと 本気は出ないようですね。もしくは、本気をだそうがたいしたことは無いのか。それは無いとは思いますが。
 なんだか結局、はぐらかされたような印象を受けたこの作品。それでも面白い。
 



「ネコソギラジカル」 上(<十三階段>)中(<赤き制裁VS.橙なる種>)下(<青色サヴァンと戯言遣い>)     ☆×9

 上、中、下巻の3分冊構成の今巻ですが、今までの中では最高とまでは言いませんが、かなり面白いことは確かです。

 上、中での展開は冗長というか、無駄が多かったような気もしますが、それでも、下を読んでみれば全て許せるような気がします。
 下でのラストは、このシリーズ以外がやったら恐らく激しく糾弾されるであろう、だけれど、このシリーズがやったからこそ善く見える、そういう印象を受けました。
 シリーズ通してこのクオリティを保ったのは凄いです。絶対に読んでほしいシリーズです。




「ダブルダウン勘繰郎」   講談社ノベルズ    ☆×7


さすが。面白い。キャラがいい。一気に読めました。厚さが無いから息をつかせません。
何よりも、読んでて、格好いいと思った。
ちなみにこの作品は、「清涼院流水」のJDCシリーズのパロディで、主役はオリジナル。
所々にリンクが見られますが、知らなくても十分楽しめます。
ちなみに僕はJDCを未読の時にこれを読みました。
読んでいる最中の爽快感、走り抜けるように読めて、手ごたえが無いと言えばそれまで。
ですが、これは全力疾走時に受ける風圧のような、そんなものも感じます。




「きみとぼくの壊れた世界」   講談社ノベルズ    ☆×6


萌えキャラがたくさんとか聞いていたのですが、そんなことは無かった。
キャラが立っていて、ペ―スよく読めた。
文章は相変わらずの遠回し。これを好きになれないとこの作者の本はほとんど好きになれない。
戯言シリーズと比べると少し見劣りする。





「零崎双識の人間試験」   講談社ノベルズ    ☆×7


 人が持っている感情、それと同じように殺意を持つ一族がいる。その話。

  相も変わらずの西尾節。結局あまり要領を得なかったりするわけですが、それでもかなり引き込まれます。
 最早これはセンスの問題でしょうか。文章が巧みと言うかなんというか。
 ぶっ飛んだ設定やキャラ、そして終始「だからなんなんだ」と言いたくなるような展開。まあ戯言ですが。
 それでも面白い。
 不意を突いた笑や、元ネタ知らないのが多いけど、漫画や小説、はたまた映画などの分かる人にだけ分かるネタ。
 楽しませてくれます。
 慣れている所為か、インパクトを薄く感じたのですが、厚さも感じず。
 爽快にテンポ良く、それでいて痛快に展開してくれるので、楽しめること間違い無し。文章を受付さえすれば。
 ミステリとかトリックとか、そういう部分は全く期待しないほうがいいです。どっちかというとアクション。
 
 ちなみに、なんかCD−ROM付なので高いです。





「新本格 魔法少女りすか」   講談社ノベルズ    ☆×8


 使う【『魔法使い』使い】である少年と、使われる「赤き時の魔女」のお話。

 文章は戯言シリーズほど癖が無く、その分万人向けであり、毒が無いともいえます。 特徴が無いのはいいことなのか。広く浅くの人をとるか狭く深くの読者をとるかという違いでしかないのですが。 まあそれでも普通とは言いがたい文章ではあります。
 展開にはあまり意外性が無く、ある程度予想できるのですが、キャラと文章がいいのでそこまで気になりません。 小学5年生という幼さにして、周りを見下し確固とした目的を持ち行動する共犠創貴と、魔法使いにして魔法の天才水倉りすか。 この二人の奇妙な「使う側と使われる側」の関係を特徴のある文章でしっかりと活かせているので、僕としては言うこと無しの良作です。
 完全に万人向けの文章になっているとは言い難いですが、戯言シリーズが合わない人でも楽しめると思います。



「新本格 魔法少女りすか 2」   講談社ノベルズ    ☆×8

 使う【『魔法使い』使い】である少年と、使われる「赤き時の魔女」のお話。

 一話毎に、1人何かしらの強敵が出てきて、それを策により打ち破っていく話。基本的には。

 作者の性質もあってか、何が起こってもおかしくないので、『必ず最終的にはああなるんだろ』と思うことなく、 緊張感を持って読めたのが凄い良い所。
 『策』というのが僕は凄いすきだったりするので、その所為もあって非常に楽しめました。
 基本的には西尾維新。でも違う。

 最後にオチがあるのも好きです。





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